私が20代の頃、外資系戦略コンサルティング会社で働いていたことを知ると、若い人の多くが、コンサルタントの経験がキャリアに与えた影響を聞いてくれます。MBB(Mckinsey, BCG, Bain)をはじめとした戦略コンサルティング会社は入ることも難しいですが、そこでの仕事はもっと難しかったです。ここではコンサルタントとして働いたことが私の職業人生にどのような影響を与えたかをまとめてみました。

コンサル会社を辞めたのは約15年前

私が戦略コンサルティング会社に入ったのは約20年前、そして辞めたのは約15年前です。
これって相当昔のことで、私は自分のことを元戦略コンサルタントと称するのは抵抗があります。しかし転職活動をすると、元戦略コンサルタントということで、未だに面接の機会を頂きます。それはどうしてなのかを説明してみようと思います。

何故未だに元戦略コンサルタントと評価してもらえるのか?

コンサルタントでなくなって15年も経つのに、未だに戦略コンサルタントというカテゴリーで考えて頂けるのか?その理由をまとめると私は以下の3つだと考えます。

  1. 40代~50代の元戦略コンサルタントはそもそも希少
  2. 20代~30代にかけて豊富な成長機会を得ていたという企業側からの期待
  3. 戦略コンサルティング会社のブランドや他の卒業生の実績によるハロー効果

 

各項目にもう少し説明を加えると

1. 我々の世代の元戦略コンサルタントはそもそも希少
今から15年以上前、外資系戦略コンサルティング会社の規模は現在と比較すると小規模でした。その頃に戦略コンサルタントだった人というのは、そもそも希少です。その上、多くの元戦略コンサルタントが安定した職業基盤を築いているケースが多いので、転職市場で活動している人は更に希少になっています。ですので、転職市場において、未だに40代~50代でも「元戦略コンサルタント」は面接で会ってみたい人材と評価していただけます
2. 20代~30代にかけて、豊富な成長機会に恵まれていたはずという高い期待
希少な40代~50代の元戦略コンサルタントが、事業会社やベンチャー企業で経営層になった上で転職活動をすると、更に魅力が増すようです。20代~30代で国内外の一流企業のゴール設定や課題解決を経験し、多くの修羅場をくぐり、劇的な成長を遂げ、更に30代~40代に事業会社で多くの経験を積んだなれば、企業は高い期待をしてくれます
3. 戦略コンサルティング会社のブランドや他の卒業生の実績によるハロー効果
戦略コンサルティング会社は、日本市場において着実にビジネスを拡大し、またクライアント以外に対しても積極的な情報発信を行い、認知を高めてきました。またIBMのCEOだったルイス・ガースナーをはじめとして、大企業の経営トップが元戦略コンサルタントの事例などがあり、これらが戦略コンサルティング会社の名声を高めるのに貢献しています。また元コンサルタントが創業したベンチャー企業が多くあり、彼らは自社のブランディングに戦略コンサルティング会社のブランドを活用ししているケースもあります。そのようなコンサルティング会社や卒業生の活躍が、その他の元コンサルタントに影響を良い影響を与えてくれています

今よりも戦略コンサルティングが日本市場に浸透していない時期に、この業界で働くという希少な経験をできたことは、キャリアを築く上で、強固な差別化をもたらしてくれています。

戦略コンサルタントという経験が本当に役に立ったこと

しかし外から見て、カッコ良いと思われるようなキャリアかも知れませんが、実際は苦労の連続でした。私は日本企業の勤務を経て戦略コンサルティング会社に入社しました。事前に業界の情報を仕入れ、大きな成長を思い描いて、覚悟して飛び込んだはずでしたが、本当に甘かった。想像以上に苦しい日々を体験しました。今考えると、私にとって足りなかったのは、

  • 覚悟
  • 経験

でした。

覚悟
戦略コンサルティング会社には、日本企業から海外のビジネススクールに派遣され、MBAを取得し転職して入ってきた方が多くいらっしゃいました。企業で高い評価を得て海外に派遣された人達は、その会社に残れば、幹部候補としてのキャリアを歩めるにも関わらず、戦略コンサルティング会社に転職してきていたのです。勝負をかけて転職してきて、絶対に成功したいという彼らの堅い覚悟を目の当たりにしたとき、自分の覚悟の足りなさを知り、大きなショックを受けました
経験
自分が日本企業で経験してきた経験と、戦略コンサルティング会社で必要とされる経験は大きなギャップがありました。そのギャップは私にとって絶望的と言うべきものでした。自分が全く経験したことのなかった銀行、消費財、通信業界、行政機関など多様な業界のクライアント、そしてビジョン策定、営業・マーケティング戦略、そして財務に与えるインパクトの分析。もうまるで分からないことだらけで、圧倒的な経験不足を自覚しました

結局、このような課題を認識した後、更に覚悟を決めて仕事に臨み、経験不足を補うため徹底的に勉強をするしかありませんでした。特に経験不足を補うためには、プロジェクトに関連する書籍を可能な限り読み、参考にできるプロジェクト資料を読み、関連する領域の経験のある先輩コンサルタントに教えを請うたりして、勉強で経験不足を補うよう努力しました。
戦略コンサルティング会社を離れた後に、コンサルタントという経験を持っていることから、多くの面接機会を与えてもらったのは確かです。しかし戦略コンサルティング会社の勤務経験で得たのは、外から見たキラキラしたイメージとは全く違う、自分の実力不足を補うための努力の経験と、多様な業界や多様なプロジェクトの経験です。皆さんのキャリア選択の参考になればうれしいです。

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