早期退職や退職勧奨により退職日が決まっている中で転職活動をしている方もいらっしゃると思います。私自身ポジションを失い、会社から暗に転職をするよう言われ、失意・そして絶望の中で転職活動をしたことが二度あります。またそのうち一回は、退職日までに転職先を決めることができず、しばらく無職も経験しました。これは生き地獄でした。今同じような苦しい経験をしている人の参考になるように、退職日までに転職先が決まらなかった時の心境の変化をまとめてみたいと思います。

退職を決意する

私の場合、退職勧奨で会社を辞めることを決意しました。
退職勧奨とは、会社が従業員に対して自ら退職することを促すことをいいます。退職勧奨は、あくまで従業員の自由な意思による退職を促す説得活動であり、法的な効果はなく、実際に退職するかどうかは従業員が決めることができます。また、退職勧奨には、解雇と異なって法的効果がないことから、解雇のような退職勧奨の有効性に関する法律上の規定はありません。会社は、原則として、いつでもだれに対しても退職勧奨を行うことができます。ですので退職勧奨があったからと言って、従業員は退職する必要はないということをしっかり理解しておく必要があります。一方で退職勧奨をされて会社に残る場合、異動などにより、職位を下げ、減給を行われるケースもあると思いますので、そこを受け入れられるかどうかが、従業員にとっては重要です。
私の場合、会社からポジションを降りるように言われた時、会社に残ることは考えませんでした。降格や減給を会社から言われた場合、裁判を起こすような打ち手が無いわけではありません。しかし自分が働いている大好きな会社と争うことなど想像できませんし、今まで部門長として仕事をしていたプライドが会社に残る邪魔になったのも事実です。しかしこの決定時点では、転職活動がうまく行くかどうかは分からないので、退職の決意は大きな賭けになります。

退職の決意に関して、私からのアドバイスは二つです。まず一点目は、皆さんが退職勧奨を受けた場合、拙速な判断を避けることが重要で、二点目は従業員はいくつかのオプションを持っていることを理解しておくべきです。そのオプションとは

  • 会社が提示してくる退職のパッケージ(割増退職金や特別休暇)を受け転職活動を開始する
  • 異動や降格を受け入れ、社内で新しい仕事を開始する(一方で状況に応じて転職活動を開始する)
  • 一旦傷病休暇等を取ってしっかり休んでから、社内で新しい仕事を開始する(しっかり心身ともにリフレッシュしてから仕事を開始する)

自分の状況がまずいと分かっていたら退職勧奨に向けて作戦を練ることができるかも知れませんが、退職勧奨が晴天の霹靂ということもあると思います。そのような場合、とにかく、「自分が退職勧奨を受けることを想像もしていなかったので、判断できない」等と言って、拙速な判断をしないということを憶えておくと良いと思います。

もう一つは、転職活動を身近にしておくことです。私自身は多くの転職を経験しているので、転職活動に対して大きな不安はありません。このブログで皆さんに一貫してキャリアを考える重要性と転職活動を奨めるのは、このような事態になったとき初めて転職活動をするのでは、精神的な余裕も無く、また転職活動には思いのほか準備に時間がかかり、新しい会社が決まるまでにより多くの時間を要してしまうので、転職する能力を養っておいた方が良いということです。

最後に、退職勧奨と取れるようなメッセージを会社から受け取ったら長くて二週間程度で回答をすることになるというのが私の経験です。

退職を受け入れる

退職を決意しても、私自身、その現実を受け入れることに時間がかかりました。私の心の中は

黒だい吉
何で俺がこんな目に合わなくてはいけないんだ。今まで自分は会社に尽くしてきたのに

黒だい吉
誰が俺のことを悪く言ったんだ。言った奴を許せない

黒だい吉
何で自分はもっとうまくやれなかったんだ。自分はなんてダメなんだ

というような考えが頭の中をグルグル回転するばかり。私自身は無理にポジティブになったりせず、徹底的に落ち込み、自分を責めました。もう落ち込み切るしかありませんでした。
転職活動や情報収集をしつつも、更に2週間以上徹底的に落ち込みました。たまたま友人が連絡してきても、最低限の反応しかできないことも良しとしました。そして徹底的に落ち込んだ後、自分を認めるようになりました。

白だい吉
自分の視野が狭くなっていた。会社の変化に自分は乗り遅れたんだ

白だい吉
会社の政治的なところはもう疲れた。十分、正直に誠実に仕事をしたじゃないか

白だい吉
自分は良くやった。これ以上のことは自分はできなかった

実は会社の経営層に居る人の多くも、ポジションを失うような経験や左遷のような異動を多かれ少なかれしています。その苦しい経験を受け入れ、更に成長するきっかけにしてきたことを知るだけでも、もしかしたらあなたが厳しい現実を受け入れる助けになるかも知れません。私が二度目にポジションを失った時、上司である社長が会社を逃げるように辞めた経験を話してくれたのは、救いになりました。もしあなたが厳しい経験をしてこのブログを読んでいたら、私が伝えたいのは、「沢山の人が沢山の挫折を経験している。重要なのは挫折しないことではなく、挫折から如何に立ち直るか」ということです。

退職日で苦しむ

実は退職を決めてから一番自分を煩わせたのは、それまで勤めていた会社を離れる退職日です。

黒だい吉
退職日までに次の会社を決めなくてはいけない

黒だい吉
退職日を過ぎて次の会社が決まっていないと、面接官から市場価値が無くて転職活動がうまく行かなかったように見られそう

黒だい吉
実際に無職で転職活動をしていると、内定をもらっても足もとを見られそう

黒だい吉
自分はどこの会社にも必要とされていないし、所属していないんだ

退職日を考えることはは本当に苦しかったのを憶えています。退職日まで毎日カウントダウンが続いているようで、転職活動の進捗によって一喜一憂して、鬱病になりそうでした。そして私にとって、退職日のカウントダウンの憂鬱が軽減されることはありませんでした。もしあなたが、私はどういう心境の変化があったのかを読むのを期待していたら、気持ちを和らげるような話をできずに申し訳ありません。

退職日を超える

しかし退職日までに新しい会社が決まらないことが決定的になったら、その後気持ちは落ち着いてきました。

白だい吉
退職日に仕事が決まらなかったのは仕方ない。ここからスタートするしかない

白だい吉
無職になったら国民年金の手続きと、健康保険の任意継続をしないといけないな

白だい吉
将来、無職になって苦しい思いをしている人が居たら、実は自分にも同じような経験があったよと言えるな

退職日を過ぎたら気が楽になっていたのは、要は自分の退職日までに転職先を決めなくてはいけないという思い込みで自分を苦しめていたということだったのです。皆さんも退職日を意識しながら転職活動をするときに、自分自身を苦しめることがあるかも知れません。もしあなたが退職日を過度に意識して苦しんでいたら、私が言えることは、それはあなただけが感じる感覚ではないということと、もしかしたら自分の思い込みが自分を苦しめているかも知れませんよということです。

内定を獲得する

このような感情の浮き沈みを経験しながらも、無職になってから内定をくれる会社が出てきました。退職日前に転職が決まらず、退職してから内定をもらえたのは、私自身の振り返りでは、会社を辞めることになったことと、無職の立場から新しいポジションを頑張るんだという様に開き直ることができて、面接してくれた会社に良い印象を与えられたからかも知れません。

私はこのエントリで、「転職活動に慣れている人間でも、退職勧奨を受けてからの転職活動をするのは困難だった」経験を共有したいと思いました。そしてタイミングごとの私自身の気持ちの変化をまとめて、あなたが参考にしてくれればと考えました。私の事例は一つのサンプルでしかありませんが、苦しい心境のあなたに届いて、そしてあなたが前に踏み出すのにお役に立てればうれしいです。苦しい経験を発信している人は少ないですが、私も含め沢山の人が乗り越えてきています。これを読んでくれたあなたに幸運が訪れることを祈っています。

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