社外から経営者を見つける仕事をしているエージェントをヘッドハンターと呼びます。彼らは企業が抱える経営課題を分析し、その課題を解決できる経営のプロを探し、候補者と機会を話合い、候補者をクライアントに紹介・提案します。転職活動が身近ではないあなたに、ヘッドハンターから連絡を受ける背景と、もし連絡を受けたときの対応をまとめてみました。

ヘッドハンティングの現場

1990年代はじめ、IBMは崩壊の瀬戸際に立たされていて、その再生を担ったのがルイス・ガースナーという経営者でした。かれの著書「巨象も踊る(Who Says Elephants Can’t Dance?」(日本経済新聞社)の中で、ヘッドハンターがプロの経営者を探すうえで、重要な役割を果たしているのを紹介している段落があります。

第一章 誘い : 人材探し

1993年1月26日、IBMはジョン・エイカーズが引退することになり、社内外の候補者から次のCEOを選ぶための選考委員会を設けたと発表した。委員会の委員長にはジム・パーク(ジョンソン & ジョンソンの経営者)が就任した。(中略)
選考員会はパーク委員長のもと、アメリカの著名な経営者をかなり大っぴらに検討し始めた。GEのジャック・ウェルチ、アライド・シグナルのラリー・ポシディ、モトローラのジョージ・フィッシャーらの名前がすぐにマスコミで取り沙汰されるようになり、マイクロソフトのビル・ゲイツの名前すら挙がった。何人かのIBM経営幹部の名前も挙がった。選考員会は多数の情報技術企業経営者とも面談した。各社にとって最大の競争相手の経営者にだれを選ぶべきか、助言を得ようというのだ。過去に例のないとされた動きとして、ヘッドハンティング会社2社と契約を結び、ヘッドハンターとしてとくに力のあるスペンサー・スチュアートのトム・ネフとハイドリック & ストラグルズのゲリー・ロシュの二人の力を借りている。

 

また日本マクドナルドが300億円の大赤字という状態から、31カ月連続売上増加という奇跡のV字回復を率いた伝説のマーケターと言われ、現在ファミリーマートのCMO(Chief Marketing Officer)の足立光さんの著書にもヘッドハンターから受けた影響を紹介している部分がありますので引用します。

第5章 どんな状況でもやりようはある: 無難にやっても会社は変わらない

ヘンケル時代に、大学とブーズ・アレンの先輩でもある人材会社のラッセル・レイノルズ日本代表の安田結子さんにお会いした時、こんなことを言われました。
「足立さんは、劇薬系ですね」
なんともうまい言葉をもらえた、と思いました。ひどい症状の会社を劇的に治すには、劇薬がいるのです。ただし、健康な会社には劇薬は必要ありません。

この事例のように企業の経営者を選ぶときに活躍したり、経営層のキャリアに大きな影響を与えるのがヘッドハンターです。

代表的なヘッドハンティング会社

ヘッドハンティング会社と言っても、色々な会社があるのですが、企業の経営課題に合った経営者人材を発掘してくることに関して定評のある会社は以下が有名です。

ヘッドハンターから連絡を受けた時の考え方

ヘッドハンターは、各人が業界の専門性を持ち、業界の経営層とのネットワークを持っています。そしていざ人材を推薦する段になると、その経営層のネットワーク内、またはその中に適切な人材がいない場合、ネットワークの人々から推薦を受けて、クライアント企業の経営課題に沿った人材の推薦を行っていきます。ですので冷たい響きのあるヘッドハンターという仕事ですが、一旦知り合うと、継続的に連絡を取り合い、キャリア形成やメンタル面のアドバイスをしてくれたり、キャリア上足りないスペックを指摘してもらったりするような長いお付き合いになる可能性があります。

そしてヘッドハンターとのお付き合いの中で、実際に人材の推薦を依頼されることも多々あります。そこから分かることは、もしあなたがヘッドハンターから連絡を受けた場合、あなたは誰かの推薦を受けている可能性が高いのです。つまり、もしヘッドハンターから連絡を受けた場合、それは光栄にも誰かの推薦を受けたと理解すべきだと私は考えます。

ヘッドハンターとの出会い方・付き合い方

私が有名なヘッドハンティング会社のコンサルタントに出会ったのは、先輩の紹介によるものでした。私がキャリアについて悩んでいることを、経営層として働いている先輩に相談したところ、これらの会社の方を一人一人紹介してくださいました。またBIZ Reach経由でも、上記のヘッドハンティング会社から連絡を受けたこともありました。ヘッドハンターと出会うのは、受け身だけではなく、自分でも積極的にはたらきかける方法もあるので、参考にしてみてください。

もしヘッドハンターと付き合いが始まった場合、人材市場における自分の価値、今後自分が強化すべき強みを気づかせてくれることがあると思います。ヘッドハンターから連絡を受け、相性の良いと感じる方に出会えたら、その関係を大切にして欲しいと考えています。

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